富山地方鉄道(地鉄)の市内電車(軌道線)では、2021年10月10日(日)からICOCAなど全国の交通系ICカードが使えるようになります。
富山駅の交通結節機能の強化とキャッシュレス化の推進を図るため、地鉄と富山市、JR西日本の3者が連携して整備を進めてきました。このたび、利用開始日が10月10日(日)始発からに決まりました。
地鉄が運行する市内電車全エリアで新たに運賃決済ができるようになるのは、全国相互利用可能な交通系ICカード10種類(ICOCA、Kitaca、Suica、PASMO、manaca〈マナカ〉、TOICA、PiTaPa、はやかけん、nimoca、SUGOCA)です(路線図は下図を参照)。すでにこれらのカードが使えるあいの風とやま鉄道線との乗り継ぎや、首都圏などから北陸新幹線で来訪する方の利便性が高まります。
市内電車の車両には、降車扉の横に専用のカードリーダー(黄色)が新設されました。降車時にタッチすることにより、全国交通系ICカードから運賃を支払うことができます。車内でのチャージには対応していないため、事前に最寄りのコンビニなどでチャージしておく必要があります。なお、地鉄が発行する「ecomyca(えこまいか)」や、旧富山ライトレールの「passca(パスカ)」はこれまで通り、運転士横の運賃箱に備え付けられたカードリーダー(青色)にタッチして利用することができます。
全国交通系ICカードで市内電車を利用した場合の運賃は一律大人210円・小児110円で、現金利用と同額です。「えこまいか」「パスカ」の利用により自動的に適用される割引(大人180円・小児90円)は、全国交通系ICカードでは対象外となります。
なお、地鉄の鉄道線や路線バスは全国交通系ICカードによる利用はできません。また、地鉄の営業窓口ではこれらのカードの販売やチャージは行いません。
富山市は人口減少や少子高齢化など都市の課題に対応するため、公共交通を軸としたコンパクトシティの実現を目指しています。JR西日本から引き継ぎLRT化した富山港線(旧富山ライトレール)と、従来から地鉄が運行していた市内電車は、富山市の事業計画により2020年3月21日から富山駅高架下の新停留所に乗り入れ、南北接続を果たしました。